爽やかくんの為せるワザ



「………………え?」




思わずそんな声が漏れて、完全に思考が停止。

教室の外には気まずそうにこちらを見つめる女子が2人いて。


先程声を掛けてきた子が再び口を開いた。




「……聞こえちゃいましたぁ……」




そう言って、隣に立つもう1人の女子に顔を向けるその子。

その場にいる全員の視線がもう1人の女子に集まった。





「……か、花恋ちゃん……」





ま  ず  い  。


絶望感……ってまさにこれかもしれない。


全員の視線の先には、そう、

あの花恋ちゃんがいた。




「……え、花恋、なんでここに?」




そう言って真っ先に花恋ちゃんのもとへ駆け寄ったのは緒方だった。

俺や他の皆は未だに固まってしまっている。




「えっと……ぽんちゃんと教室で課題やってて……、

帰る時に桃や敬吾くん達の声が聞こえたから一緒に帰ろうかと思って……」


「まじか」




俺を心配そうな表情で振り返る緒方。


……ど、どうしよう。

今のって、絶対聞こえてたよな……?


だって俺、「告白する」って……めっちゃ大声で言っちゃってたもんなぁ!?



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