爽やかくんの為せるワザ



「……」



沈黙が続く。

俯いてしまったから花恋ちゃんがどんな顔してるのか分からない。



……俺みたいな馬鹿が相手にされるわけないのは、俺が1番分かってる。


花恋ちゃんは可愛くて、ミスコン1位で、優しくて、綺麗で、良い匂いして、可愛くて。

馬鹿で、うるさくて、臭くて、イケメンでもない俺と釣り合うわけがない。


花恋ちゃんはもっと、羽水みたいな優しいイケメンがお似合いなんだ。



断られるに決まってる。

だから告白するつもりも、勇気もなかった。



……今もめちゃくちゃ怖いし。



でも、足立らが背中を押してくれたから。


失恋しても、きっと皆は告白した俺を褒めてくれるから。


勇気が湧いた。

告白したいと思った。



俺は全然、告白して後悔してないし

失恋しても絶対後悔しない!




そして、遂に花恋ちゃんが口を開いた。




「……敬吾くん、ありがとう」




優しくて、あったかい花恋ちゃんの声。

俺はゆっくりと顔を上げた。



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