爽やかくんの為せるワザ




「おすおす」




掌をこちらに向けて私達の元へ向かってきたのは、生徒会に呼び出されていた桃ちゃん。


生徒会というより、桃ちゃんと仲が良い〝生徒会書記の1人〟に呼び出されていたわけだけど。



戻ってきた桃ちゃんの表情は、どこか曇っていた。





「何かあったの?」


「うん。私もミスコンに出ることになった」




え!?という大きな声が、私と沙羅ちゃんとで重なって響いた。

クラスメイトの数人が振り返ったので、私は慌てて頭を下げる。




「生徒会に言われたのか?」


「そう。ミスコンって今まで推薦とか立候補で参加者募ってたんだけど、花恋とか先輩とかレベル高い人もいるでしょ?

そうなると皆遠慮してなかなか参加者が集まらなくなってきたみたいでさ。

今回からはミスコン、ミスターコン参加者をクラスから1名ずつ決めることになったみたい」





で、私は半強制的に参加させられたワケ。と溜息混じりに言葉を漏らした桃ちゃん。



そっか……。

確かに、花恋ちゃんとか先輩とかめちゃくちゃ可愛いもんね。


ミスコンに参加し辛くなる気持ちも分かる。


ミスコンとかって結構盛り上がるし、学校としても力入れたいところではあるよね。



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