冷たいキスなら許さない
「アンタよく見たら結構な美人じゃないか」

背中を壁に押し付けられた私の顔のすぐ近くに知らない男の顔がある。

な、なに、いきなり何?!誰?

「ど、どなたですか」

こんな男見たこともない。
ようよう出した声は裏返っていて声というより息に近い。

見たところなかなか上等なスーツだけど、顔がいやらしい。そんな知らない男にいきなり腕をつかまれるなんて大事件だ。

つかまれた右手と共に背中が強い力で大理石の冷たい壁に押し付けられていることはなんとか理解できたけれど、どうしてこういう事態になっているのかが理解できない。

もしかしてコレがあのセクハラ常務??
柱と観葉植物のせいで周囲からは見えにくい場所に連れ込まれて右腕をつかまれて壁ドンされてしまっている。
< 163 / 347 >

この作品をシェア

pagetop