冷たいキスなら許さない
「あ、桐山さん、こいつあのセクハラ常務」
櫂と一緒にいたイースト設計のスタッフが叫ぶように言った。
「こいつ連れてって叩き出して。あと、副社長に連絡」
櫂が近くにいたお店のスタッフに合図をすると、首からIDを下げたスーツ姿の男性が駆け寄ってきて櫂の部下らしき人と抵抗する男を引きずるようにして連れて行く。
男は引きずられながら「俺は何も悪くないんだ」と繰り返している。
悪くないわけないでしょうが。何を言ってるんだろう。
初対面の女性を力づくで捕まえておいて。
「大丈夫か?」
男がいなくなると力が抜けて膝ががくがくと震えてきた。
「驚いた・・・ちょっと怖かった・・・」
櫂は崩れそうになった私の背中と腰を支えてくれる。
「何かされたか?」恐る恐るというように声をかけられる。
「ううん、腕をつかまれただけ。・・・顔が近くて、耳元で話かけられて怖かったし気持ち悪かった」
「くそ野郎が」櫂が男が連れて行かれた方向に向かって吐き捨てる。
「森社長は?」
「あ、その先のソファーのところで待っててくれてるはずーー」
ーーーあ
それは一瞬だった。
櫂と一緒にいたイースト設計のスタッフが叫ぶように言った。
「こいつ連れてって叩き出して。あと、副社長に連絡」
櫂が近くにいたお店のスタッフに合図をすると、首からIDを下げたスーツ姿の男性が駆け寄ってきて櫂の部下らしき人と抵抗する男を引きずるようにして連れて行く。
男は引きずられながら「俺は何も悪くないんだ」と繰り返している。
悪くないわけないでしょうが。何を言ってるんだろう。
初対面の女性を力づくで捕まえておいて。
「大丈夫か?」
男がいなくなると力が抜けて膝ががくがくと震えてきた。
「驚いた・・・ちょっと怖かった・・・」
櫂は崩れそうになった私の背中と腰を支えてくれる。
「何かされたか?」恐る恐るというように声をかけられる。
「ううん、腕をつかまれただけ。・・・顔が近くて、耳元で話かけられて怖かったし気持ち悪かった」
「くそ野郎が」櫂が男が連れて行かれた方向に向かって吐き捨てる。
「森社長は?」
「あ、その先のソファーのところで待っててくれてるはずーー」
ーーーあ
それは一瞬だった。