冷たいキスなら許さない
「あのですね、社長はうなされて泣いていた私をなだめてくれただけで、お二人が思っているようなことはありませんからー」

「まあ、大和ったら灯里ちゃんを泣かしたの?」
「ダメだぞ、もっと優しくしないと、灯里ちゃんに逃げられるぞ」
またもや違う方向に話が進む。

うふふあははと笑う二人に必死で「違う」と釈明するけれど、
「照れなくても~」と聞く耳持たず。

「灯里、いいから早く飯を食え」
隣からぶっきらぼうな声がする。

そもそもあなたが何も言わないから誤解が解けないのでは?
さっきから黙々と朝ご飯を食べている社長を睨みつける。

「ほら、朝めしうまいぞ?」
「知ってますよ」

そんな事よーく知ってます。お母さんのご飯が美味しくないはずはありません。
今朝の鮭の西京漬けもとっても美味しそうです。

だけど、そうじゃなくて。そうじゃなくてですね。

「いいから食えって」

「もう!社長もなんとか言って下さいよ!」
とうとう社長を睨みながらキツい言い方をしてしまった。
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