ファンタジー探偵と学園祭
二人の言い争うは、先生がやって来るまで止まらなかった。

その数日後、新しく作られたドレスやタキシードが届いた。



「今度はドレスやタキシードは『祈りの塔』に置いて、見張っておきましょう」

眠り姫が届いたドレスなどを見て言った。

『祈りの塔』というのは、学園の敷地の端にあるかなり古い塔だ。三階建の学園よりも高く作られたその塔は、昔は謹慎処分を受けた生徒を閉じ込めていたらしい。

塔の外は崖になっていて、誰も侵入することはできない。

「なら、俺が見張っててやるよ!怪しい奴が来たらボッコボコにしていいんだろ?」

ニヤリと笑いながら、オオカミが言った。オオカミはケンカっ早く学園一の不良だ。

「オオカミくん一人じゃ心配です。僕も見張ります」

そう桃太郎も言った。桃太郎はとても真面目な生徒だ。

「俺も暇だから見張る〜!」

マッドハッターが手を上げた。マッドハッターはアリスの幼なじみだ。

「よろしくお願いします」

眠り姫が言う。

アイリーンはそれでも胸騒ぎがした。ボーガンで人を殺しかけた犯人がドレスを破いたとすれば、何をするかわからない。

「私がお茶持って行ってあげる!」

「俺も差し入れ持ってくぜ!」

みんなが盛り上がっているため、アイリーンは黙っているしかなかった。

「せいぜい頑張りなさいな。今度はちゃんとしてくださいね」

教室の外からかぐや姫が言った。眠り姫がムッとした表情で、睨みつける。

「ご心配なく!私たちが力を合わせます!」

「そう?頑張ってねぇ」
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