青い鳥
「私は物じゃないです」

コイツ、世界の中心は自分とか思ってそう。


「そうだな、確かに失礼だった」

嫌悪感たっぷりで突っぱねているのに、笑っている男。
やはり会話が噛み合わない。

私は足を更に早く動かして逃げようと試みる。


パシッ。


「俺、本気」

言葉と共に男に腕を捕まれた。

私はゾッとして反射的に後ろに振り向き、その手を振り払う。


「触らないで!しつこい!」

声を張り上げると目を見開いた男と目が合う。
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