青い鳥
「律は男慣れしてないの?」

だがすぐにまた笑顔で話し出す。
話したくないのに勝手に。

私はやはり無視を決め込むことにして前に向き直して歩き出す。


「そういうところ、俺の心を擽ってくるな」

それなのに楽しそうな声がまた隣から聞こえてきた。

まだついてくる男。

今までの女みたいに簡単に落ちないのを楽しんでるんだ。

まともに相手をしたら苛つくだけ。

きっぱり言おう、もう。


「私は貴方のゲームになんか付き合わないーーーー」


突然薔薇の香りが近付いたと思ったら、喋れなくなった。
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