青い鳥
でも分かっていたから、もう落ち込んだりはしない。

その時、視界の下の端に見えたのは私の吐いた白い息。

それにしても寒い。
指先が痛い程かじかんでいる。
コートのポケットに両手を入れて少しでも寒さを凌ぐ。
すると今度は出ている首筋に寒さを感じてぶるっと私は身体を震わせた。

私の髪はかろうじて耳は隠れているが、首筋は丸見えのショートボブ。
この長さに真夏は快適さを覚えたが、長い髪は防寒具になっていたのだと知った。

寒さに耐えるのは辛いが、でももう二度と伸ばすことはないだろう。

そういえば天気予報では雨は降るが雪までには至らないとは言っていたがこの寒さだ。
霙《みぞれ》になるかもしれないな。

そんな事を考えていたら目の前の信号が青に変わってくれた。

風邪を引きそう。
早く帰ろう。

元旦の凍る寒さの中、足早に家に帰った。
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