キミへの想いは、この声で。

ドンピシャで当たった颯太くんの車はスピンして、芝生へと突っ込んでしまった。


「……茜、絶対仕返しするからな」


「ただのゲームにそんなムキになんなよ、颯……」


「そうそう。ただのゲームだもんねぇ、直樹?」


徳原くんの車に爆弾を当てた優乃ちゃんが怖い声で徳原くんの言葉を遮る。


チラリと様子をうかがうと、徳原くんの顔は鬼のような形相に変わっていた。


「あ、茜。直樹には気をつけたほうがいいぞ。

アイツ、ゲームになると性格変わるから。

……あと、いつもの倍で口悪くなる」


徳原くん……、そんな一面があるんだ。


景色が変わっていく画面に目を向けながら、徳原くんでもそんな一面があるんだなと驚く。

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