キミへの想いは、この声で。
……普段、感情を表に出さない彼だけど、やっぱり私たちと一緒で子どもっぽいところもあるんだ。
いよいよレースも終盤に入ってきて、みんなのスピードと集中力が上がった。
二レース目から一位をキープしている私は、そろそろアレが来る頃かなぁ、なんて考える。
するとその直後、下の画面の順位表に映るコンピューターのプレイヤーのひとりがそのアイテムを装備していることを発見。
私はそれを確認すると、アクセルからブレーキボタンに切り替え、その場に止まった。
「茜が止まってるなら、俺が一位もらうぜー」
颯太くんがアクセル全開で私を追い抜くと、嬉しそうにそう言った。
……颯太くん、ごめんね。
私が心の中でそう呟いたその直後、背後からビービーという鈍い音ともに猛スピードでなにかが飛んできた。