キミへの想いは、この声で。

次の日。


いつものように学校へ行くと、先に来ていた茜っちは教室内をうろちょろしていて。


俺に気がつくと、なぜか震える声で「ひ、ひーくん!おはよう!」なんて言った。


俯く茜っちに、俺は〝おはよう〟と口を開きそうになった。


……ダメなんだ。


〝おはよう〟って言っちゃ。


……きっと、アイツも見てる。


俺は覚悟を決めて、冷酷な男子へと性格を変えた。


……ごめんな、茜っち。


本当は、こんなこと言いたくないけど……。


「……やっぱり俺、友達やめる」


キミを守るためには、俺がキミを傷つけなければいけないんだ──。

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