チャラめ男子と鈍感女子
「これで在庫チェック終了です!」
会話らしい会話もなく、倉庫にある備品と個数しか口にしていないおかげで早めに終わった。
それでももう日はとっくの昔に沈んでしまっている。
「後は中に入れていくだけだね?」
俺とエミリーは、奥にある棚の物を調べるために出したマットなどの大きい道具をしまっていった。
「ハァ~、疲れたぁ…」
「さすがに疲れましたね。寮に戻って休みましょう?」
「そうだね…アレ?」
立ち上がり、倉庫から出ようとするも…
肝心のドアが開かない。
「エミリー…」
「どうしました? 出ないんですか?」
「ドアが、閉まってる」
俺の言葉にエミリーが固まる。