覚悟はいいですか

「え~と、あの…」

何か言わなくちゃ!あ~でもこんな時何て言えば!

頬を押さえて焦っていると、礼はベッドの端にそっと腰掛けた

私を見る瞳がキラキラして、なんかもう逃げられそうにない…

「俺にそばにいてほしいの?」

色気ダダ漏れの訊問官って、ありですか?ねえ、アリですか?
これ、もう頷くしかないじゃない!

眼を泳がせながら、コクンと首を縦に振る

でも美麗な訊問官様は頷くだけじゃ許してくれなかった
さらに核心をついて質問を重ねてきました!

「それは、紫織も俺と同じ気持ちってことでいいのかな?」

赤い顔のまま、もう一度コクンと頷こうとして、顎を掴まれ止まる
そのまま顔をあげられ、懇願するような瞳に心臓が音を立てて跳ねあがった

「だめ。紫織の口からちゃんと聞かせて」

その言葉にハッとする

そうだ、礼は何度もちゃんと言葉にして気持ちを伝えてくれてた
私も寝落ちする前には、ちゃんとこの気持ちを伝えようと、向き合うと決めたじゃない!

礼の手を両手で包み、祈るようにそっと握りしめる
目を閉じ深呼吸をひとつして、自分自身に心の中で呼びかける


『紫織、自分の気持ちにちゃんと向き合おう

心を開いて何度も伝えてくれた彼に、私もほんとの気持ちを返すの

礼の隣に相応しく在れるように

礼の真摯な想いに、私も誠実に向き合い、

言葉を尽くして思いを伝えよう

さあ、覚悟を決めて…』


心を決め、ゆっくり眼を開けて
目の前で私の言葉を待つ礼を見つめたーーー


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