覚悟はいいですか
《side 紫織》
明け方近く、私はぽっかりと目を覚ます
窓の外には有明の月がまだぼんやりと浮かんでいた
何時だろう?
スマホを探そうと身動ぎしようとして、下半身の妙な重だるさに気がつく
いつもと違う肌の感触、身体に巻きつく重みと温かさ…
「?」
慣れない感覚にふと自分が裸で寝ていた事に気づく
と、巻き付いていた腕に引き寄せられ、更に動きが封じられた
「紫織、起きた?」
「!」
突然かけられた低い声に肩が跳ね、数時間前のことが鮮明に甦って心臓の鼓動が早くなる
腰を抱く腕に力がこもり、
背中からうなじへ柔らかいものが押し当てられた
「れ、礼?…んあっ!」
大きな手のひらがお腹を撫であげ、胸を包みこむ
そのまま優しく揉みながら、背中をチロチロと這う濡れた感触に思わず声が出た
咄嗟に手を押さえて、止めようとすると
「だめ?」
と甘い声で聞かれた
「だ、だめ」
焦って答えるとふう~とため息を吐かれた
え、だめ?だめはダメなの?
息が上がって寝起きの頭は余計に混乱してしまう
すると礼の柔らかい髪がうなじに触れ、耳元で声がした
「ねぇ、リベンジさせて?」
「リベンジ?」何の?
「…紫織のこと、傷つけちゃったから」
「?」傷って?
「…最初は痛かった、でしょ?」
あ、傷つけたってそういう…
「…でも優しくしてくれたよ?」
恥ずかしいけど、礼が気にしてるようだから、素直に言ってみたものの
「当然でしょ?でも俺が俺を許せないの」
礼は納得いかないみたい…
好きな人に抱かれて愛されて、私は幸せだったけど…
あっ!え、じゃあリベンジって…!!
気づいた時には、礼が覆いかぶさってきて