覚悟はいいですか
満足そうに私を見ながら枕に頭をのせる

口元を緩め、「おやすみ」とささやく

仕方なく「おやすみなさい」と返すと
笑みを深くして、ゆっくりと瞼を閉じた



もうなにこれ、反則でしょう!

超絶美形の微笑み&寝顔のダブルパンチに
意識がぶっ飛ぶ寸前だ・・・

このまま倒れこむ訳にもいかず、片手は礼に握られたままで、反対の手でただただ火照った顔を扇いだ



やがて静かな寝息が部屋の中に流れる
私は握られた手をやっと抜き取り、細く長くため息をつく

少し落ち着くときれいな寝顔を盗み見て

「お帰り、礼」

と囁いた


起こさないようにそっと立ち上がり、カーテンを閉めてから、ドアに向かい、廊下に出る

カチッと閉まる音を聞いてから、振り返り、背をつける

ふうっと息を吐いてドキドキとうるさい心臓を押さえた









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