覚悟はいいですか
声にならない声を上げて、慌てて後ろを向く

何なの~もうっ!!!

「どうしたの?」
こっちの台詞だよ、バカ礼!

「な、なんで裸?」

「下は履いてるよ」

「いや、上も着ようよ!」

「着替えないし、もともと俺、家では寝るとき何も着ないし」

「!」

はあ~左様でございますか・・・
もう顔の熱が上がりすぎて意識がどこかいきそうである

さすがクォーター、いや外国暮らしが長いから?
裸で寝るとは…って、はっ、いやそれはダメ!!

とんでもない映像が浮かびそうになって、慌てて両手で打ち消した

「なんかやらしーこと考え「早くベッド入って!」」

あーあーあーあー・・・私は体中の熱を冷ますので精一杯だ
クックックと笑った声が聞こえる
もう~誰のせいだよ~~!!!
と頭の中で抗議してると、顔を覆っていた私の手を礼が掴む

「紫織、おいで」

え?と思う間もなく、そのまま片手を引かれる

ちょ、ちょっと、ちょっとちょっと~!

私は彼を見ることができず、片手で顔をおおってそっぽを向いたまま
ずるずるとひきずられ、ベッドに座らせられた

礼は私の手を掴んだまま、器用に横になり、自身にタオルケットをかけた

< 41 / 215 >

この作品をシェア

pagetop