覚悟はいいですか

｢そのノウハウが華に受け継がれてるんですね？｣

やっぱり久美子は察しがいい！

｢そういうこと。
だから華や次姫(じき)になった先輩はお嫁さんに欲しいって引く手あまたよ｣

｢ジキ？｣

｢華は、まず全グループの女子社員から経歴や容姿、性格などあらゆることを鑑みて候補が選ばれるの、それが次姫。
でも毎年何人とか決まってる訳でなく、会長が定める基準を越える人物がその都度選ばれるのよ｣

｢狭き門なんですね｣
円香の言葉に頷いて続ける

｢次姫になると、現役の華の下で働きながら修業するの。
内容は基本的な言葉遣い、それからお茶、お花で所作を磨くの。後は英語のほかに第２外国語を一つ以上、もちろん社会人としてマナーや世界情勢も徹底して叩き込まれる。教養も大切で、実際できる必要はないけど学びながら興味のある芸事を身につける方がほとんどね。
何せ会長直属だから、お会いするのは企業のトップかそれ相応の肩書きを持つ人達ばかりだし。そういう人達を相手に渡り合うには、はずかしくない教養が必須でしょう？｣

｢｢｢お嬢様教育だ～！｣｣｣
そこ、ハモるんだ・・・