覚悟はいいですか

ピピッピピッピピッーー
タイマーが鳴って炊き込みご飯が蒸らし終わったことを告げる。興奮気味に話を続ける彼女らを横目にキッチンへ行って土鍋とお茶碗を取ってくる

｢まあそういう修行をするわけだから、普通に花嫁修業にもなるわけで、次姫でも玉の輿になる人が多いのも事実だけど。
華は身につけたことを実際のビジネスに生かして、会長のサポートをするのが主な仕事。だから秘書出身が多いし。実際今の第一秘書の京極女史は、今現在わが社の唯一の華よ」

さんまの炊き込みご飯を皆によそいながら、話を続けた

「じゃあ、秘書課の人はみんな次姫なんですか？」
円香が聞いてくる。やっぱり彼女も気になるのかしら？

「みんなが皆と言うわけではないわ。
ただ今までは次姫も華も秘書課に所属していたことは確かよ」

「あれ、でも紫織さんも・・」

理恵ちゃんの言葉に久美子がピクッと反応した。私は素知らぬ顔で話す

「うん、私も華の時は秘書課にいたの。でもちょっともめごとがあって秘書課から今の経２に異動したのよ。
その時、華も引退したと思ってたんだけどね・・・」