DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
「海牙さんは大都高校の三年生でね、すっごい頭いいんだよ。性格はちょっとものすごいし、ナルシストで腹黒っぽい発言も多々あるけど、悪い人ではなくてね。
パパが運営してる奨学金で勉強してるんでしたっけ、海牙さん?」
海牙はウェーブした髪を掻き上げて、ため息をついた。
「おっしゃるとおり、平井財団の奨学金を使わせていただいてますが。本人の前で、性格や発言がどうのこうのと批評するのは、いかがなものかと思いますよ」
「海牙さんだって、いつも本人の目の前でズバズバ言うじゃないですかー。陰口言うより絶対マシですけど、毒舌すぎるのはモテないと思います」