DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


胞珠を持たない人類が平和に暮らしてる、なんていう世界線のストーリーがひと昔前に流行った。


今でも、掃いて捨てるほどある。


おれもそういう夢、見たりするけどね。



くだらねーよ。


おれの額には朱くてデカい胞珠があって、街並みを見晴らせばダンジョンがゴロゴロしてて、それが現実なんだってば。



ダンジョンの中の構造は、蜂の巣っぽいとも蟻の巣っぽいとも聞く。


度胸試し的にダンジョンに乗り込んでいったきり帰ってこないやつが、長期休みのたびに出る。



今のこの駅前広場みたいに人が集まってる場所にいると、想像しちゃうんだよね。



文徳たちの音楽に同調した連中。


シンクロしたエネルギーを胞珠で増幅して、この空間全体で一つの大きな生き物になってるようなコンディション。



「ここに爆弾が一個、投げ込まれたら、どうなるでしょー?」



未曽有《みぞう》の大破砕、だよね。


おれと煥っていう、化け物級の胞珠の持ち主までいるんだからさ。


町ごと吹っ飛んで、めちゃくちゃ巨大なダンジョンに生まれ変わるんじゃない?


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