DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


海牙のほうは、姉貴の態度より、はるかにあからさまだ。


最初っから姉貴に物欲しげな視線を向けたりしてたけど、今はそれ以上。


うらやましいほど一生懸命、姉貴のことを見ている。



恋っていうやつなんだろうな、それ。


おれにはよくわかんないんだよね。


女の子なんてさ、ほしいって思ったら、イージーモードどころじゃないチートモードで、一瞬で手に入るから。



海牙には、苦労しやがれって言いたい。


姉貴にとっていちばん特別な男って、今まではずっと、弟のおれだったの。


ほかの誰でもなかったの。海牙はそこに割り込んでこようとしてんの。


ムカつかないっつったら嘘になるから。



姉貴お気に入りのダークグリーンの目に、海牙はまじめな色をたたえている。



「長江さんから、息子の友達なのかと訊かれたとき、正直に答えました。

理仁くんの友達でもありますが、リアさんのことを慕っています、いずれリアさんとお付き合いさせていただきたいと思っています、とね」


< 374 / 405 >

この作品をシェア

pagetop