DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
海牙のほうは、姉貴の態度より、はるかにあからさまだ。
最初っから姉貴に物欲しげな視線を向けたりしてたけど、今はそれ以上。
うらやましいほど一生懸命、姉貴のことを見ている。
恋っていうやつなんだろうな、それ。
おれにはよくわかんないんだよね。
女の子なんてさ、ほしいって思ったら、イージーモードどころじゃないチートモードで、一瞬で手に入るから。
海牙には、苦労しやがれって言いたい。
姉貴にとっていちばん特別な男って、今まではずっと、弟のおれだったの。
ほかの誰でもなかったの。海牙はそこに割り込んでこようとしてんの。
ムカつかないっつったら嘘になるから。
姉貴お気に入りのダークグリーンの目に、海牙はまじめな色をたたえている。
「長江さんから、息子の友達なのかと訊かれたとき、正直に答えました。
理仁くんの友達でもありますが、リアさんのことを慕っています、いずれリアさんとお付き合いさせていただきたいと思っています、とね」