DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
「鈴蘭ちゃんが自分の家にあっきーを引き取ったの?」
「いえ、それは煥先輩が全力で拒否したから、バンドメンバーの中で受験生じゃない雄さんに連絡をつけて、雄さんの家まで連れていったそうです。そういう面倒、鈴蘭が見てあげたの」
「なるほど」
さよ子はフォークを握りしめて眉間にしわを寄せた。
涙の表面張力は、そろそろ限界。今にも決壊しそうだ。
「煥先輩が回復してきてからは、お弁当を作って持っていったりして。鈴蘭、料理あんまり上手じゃないのに、すっごい頑張ったみたいで」
「あっきーの胃袋をつかんじゃったわけね。料理が下手なのに頑張ったってあたりも、あっきー的にはグッと来たんじゃないの?」