DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
「鈴蘭って、高校に入るまでロックとか聴いたことなかったのに、今では瑪都流のメンバーとちゃんと話せるくらい音楽に詳しくなってるんですよ。勉強家すぎる。かなわない」
「そこは知識量の勝負じゃないよ。受験じゃないんだし。鈴蘭ちゃん自身、たまたまロックにハマる素質を持ってただけじゃない?」
「そうかもしれないけど……でも、鈴蘭の何もかもがうらやましいんです」
「どうして? この際、全部言っちゃいなよ」
「わたしの声、甲高くてやかましいですよね。アニメ声っていうか。前からあんまり好きじゃなくて。
それに比べたら、鈴蘭のおしとやかな声がわたしにとって理想的すぎて、うらやましくてしょうがない」
「おれはさよ子ちゃんの声、やかましいって感じたことないよ。音域は高いけど、耳ざわりのいい声じゃん」