DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


さよ子の両目から、とうとう、ぽたぽたと涙が落ち始めた。



「鈴蘭の髪、長くてキレイだし。肌もキレイで、もちもちだし。女子もみんな誉めてるくらいだし。だから、煥先輩もさわってみたくなったんだろうし」



ごめんって、また繰り返しそうになる。


だって、髪も肌も失恋も、本当はおれが背負うべき痛みだったのに。


でも、さよ子が今ほしい言葉は「ごめん」じゃないよな。



「あっきーを含めて、男はたいてい、好きな子の髪とか肌とか気にしてないよ。無神経かもしんないけど。

キレイならキレイでそんなもんだと思うし、女の子がコンプレックスに感じてても、そういうとこも含めて全部いとしいって思うもんだし」


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