DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


昨日の夜、騒ぎが引けてから文徳が教えてくれた。


あいつの顔と名前を知ってる、と。



「きみ、阿里海牙《あさと・かいが》っていうんだって? めっちゃ頭いいってんで有名らしいじゃん。高校生やってる意味ないレベルなんでしょ?」


「おや、ご存じでしたか」


「文徳が知ってた。学年、一緒だしね」



海牙は髪を掻き上げた。



「ぼくが超高校級であることは否定しませんが、凝り固まった制度上、この年齢で専門的な研究機関に所属することもできないんですよね。不自由な身の上ですよ」


「イケメンで、身体能力もすごくて、頭までいいわけ? しかも、昨日といい今日といい、上等な車と一緒に登場するって、どういうこと?

きみさ~、いろいろ持ちすぎでしょ。ずるくない?」


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