傷だらけの君は




「紅、髪切ったんだ。似合うよ」


「あ、ありがとうございます」


「あ、照れた」



髪を切ったあと、想像していた以上に声をかけられて、そのほとんどが優しいものだった。


周りを囲まれて身動きが取れなくなっちゃった時は少し焦ったけど......


沖田さんがなんとか救出してくれて事なきを得た。


そう沖田さんが......



「ぐう」


「え、どしたの」


変な声を出したあたしに、髪を触っていた藤堂さんの手がぴたりと止まる。


あのあとおでこにく、くくく......く、口付けされて、あたしの声にみんなが集まってきて。


それであの時、動揺してて何も言えなかったあたしの代わりに沖田さんが「なんでもないよ」ってみんなを追い返した。



な、ななななんでもなくはないよね!?


今どきの人って、そういうことを普通にやってのけるものなの?

そういうものなの?


あれ以来、顔を合わせる度にあたしは動きが止まってしまい、沖田さんはにこりと笑う。


それも意地悪な笑顔だった。



「からかわれてるのかな......」


「んーなんかよく分かんないけど、紅からかいやすくなったもんね」


「それって喜んでも、いいんですかね......」


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