傷だらけの君は
「早く食わねぇと伸びちまうぞ」
「はあ......い、いただきます」
割り箸をパチンと割り、両手を合わせる。
うどんを食べるのは久しぶりだった。
しかもたぬきうどんなんて、見たことも食べたこともなかった。
とろりとした餡がうどんにからまっていて、持ち上げると結構ずっしりくる。
あ、割り箸割れそう。
「あつっ」
「ばあか、なにやってんだよ」
慌ててすすった麺はもちろん、なにも施してない。
びっくりするほど熱くて、あたしは土方さんから受け取った水を一気に飲み干した。
「く、口の中やけどしました」
「そりゃあ冷まさずにいったらそうなるわな」
「でも土方さんも、」
土方さんも冷まさずに食べてるじゃないですか。
そう言おうとして隣の器を見ると中はすでに空で、つゆの一滴すら残ってなかった。
早すぎない?いくらなんでも。