傷だらけの君は
「俺はお前とは違うんだよ。お前はゆっくり食べろ」
「はふっ......」
次は慎重に、息を何度か吹きかけてから口に入れた。
まだ麺はあつあつで涙目になったけど、
「お、おいしい!」
うどんにからまった餡はほのかに生姜の風味がして、ひと口食べただけで身体の芯からぽかぽかしてくる。
「可愛らしい娘やなぁ。土方はんが誰かを連れてくるだけでも珍しいのに」
近くにいた店の人と目があって、なんだか恥ずかしくなった。
手元をずっと見ながらうどんをすする。
「こいつはな、知らねぇことが多すぎんだよ。食にしても、生活にしても、時勢にしても」
頭をぽむぽむと叩かれる。土方さんはあたしの視線にもかまわず言葉を続けた。
「もし俺がだめになったら......そんときゃ、この店で働かせてやってくれよ」