傷だらけの君は
紅、と声がかけられて顔を向けるといつもの表情がそこにはあって。
「おはよう」
「......おはようございます沖田さん」
そう返すと、にこりと笑ってくれる。
......あの時の、いまにも壊れてしまいそうな雰囲気は微塵も感じさせない笑顔。
何層にも重なった面が沖田さんの顔に貼り付いているようで、
「......痛、」
「え、どっか痛む!?大丈夫?」
藤堂さんたちが心配してくれる声も、ずっと遠くに聞こえてしまう。
あたしはズキンと痛んだ胸に手を添える。
なぜだか、沖田さんの顔を見ることができなかった。