傷だらけの君は
「っ……!」
そこはまるで地獄のようだった。
いや、地獄そのものだった。
「ぎゃあ」
「ぐぁっ」
人と人が重なり合って倒れている。
今まさに斬り合っている。
狭い部屋は血の海と化していた。
特有の鉄の匂いが鼻につく。
斬り合っている人たちの中に、見慣れた羽織が見えた。新選組だ。
「池田屋だったんだ……」
じゃあ、四国屋のほうに向かった人たちは……
ううん、今はそんなことを考えている場合じゃない。
沖田さん一階にはいなかった。
ということは、
「二階っ……!」
あたしは池田屋へと足を踏み入れた。