Silver Night-シルバーナイト-
悠真から渡されたメニューを見て、佑衣と二人でイチゴのパンケーキを食べる事にした。
パンケーキが運ばれ来た後、琉聖はいつの間にか何処からか椅子を持って来て私達の机の近くに座っているけれど、悠真と梓は立ったまま。
とくに梓何かは、会話に混ざる気もないのか…私の後ろで窓枠に腰をかけている。
「莉愛、美味い?」
佑衣に笑顔で言われ、笑顔で頷くと悠真が優しげに微笑んでくれて、甘いものが苦手らしい琉聖は顔をしかめていた。
「そういえば颯達のバンドは何時からなの?」
「もうそろそろじゃないかな?」
教室を出るにも、廊下を歩くにも、お店に立ち寄るにも……全ての人の視線が集まる。
キャーキャーと騒がれる琉聖と悠真。
思わず笑顔になってしまうほど可愛いと見つめられてる佑衣。
そして……最後に皆、梓を見てハッと息を飲む。
それはまるでどこか次元の違う人を目の当たりにしたかのような…そんな雰囲気。
それを梓自身どう思っているのかは分からない。
気にしていないのかもしれない、
気にしているのかもしれない。
そんなのは分からないけれど……
スラッとした長身に切れ長の瞳、目元のホクロはやけに色っぽくて…圧倒的オーラを纏いながら私の隣を歩く男。
そんな彼を、
皆んなが皆んな見つめてる。
そしてトリコになってるに違いない。