冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
「フィラーナ様、どちらへ行かれるおつもりですか⁉」
「お……お会いしなきゃ……殿下に……ここを出てお城に……早く行かないと……」
フィラーナは虚ろな瞳で、たどたどしく言葉を紡ぐ。よく見るとその顔は血の気が引いたように青白く、身体も小刻みに震えているようだ。ハツラツとしている普段の姿とはかけ離れた様子に、メリッサは即座に明らかな異変を感じ取ったが、ここはあえて冷静な口調で語りかけた。
「おひとりで行かれてどうするのです? 離宮からお出になられたことのないフィラーナ様では、殿下がお城のどこにいらっしゃるのか、おわかりではないでしょう? 無数にある部屋をひとつひとつ開けて探されるおつもりだったのですか?」
「……あ……」
メリッサの指摘に少々落ち着きを取り戻したフィラーナは、沈みがちになっていた視線をそろそろと上げる。
「それも……そうね……。ごめんなさい、いきなり取り乱して」
「殿下のご容態がご心配なのはわかります。レドリー様に一度、面会が可能かどうかお聞きしてみますね。ひとまず、お部屋にもどりましょう」
メリッサに優しく促され、フィラーナは何度か頷くと、身体を支えられながらゆっくりと自室に向かって歩き出した。
「お……お会いしなきゃ……殿下に……ここを出てお城に……早く行かないと……」
フィラーナは虚ろな瞳で、たどたどしく言葉を紡ぐ。よく見るとその顔は血の気が引いたように青白く、身体も小刻みに震えているようだ。ハツラツとしている普段の姿とはかけ離れた様子に、メリッサは即座に明らかな異変を感じ取ったが、ここはあえて冷静な口調で語りかけた。
「おひとりで行かれてどうするのです? 離宮からお出になられたことのないフィラーナ様では、殿下がお城のどこにいらっしゃるのか、おわかりではないでしょう? 無数にある部屋をひとつひとつ開けて探されるおつもりだったのですか?」
「……あ……」
メリッサの指摘に少々落ち着きを取り戻したフィラーナは、沈みがちになっていた視線をそろそろと上げる。
「それも……そうね……。ごめんなさい、いきなり取り乱して」
「殿下のご容態がご心配なのはわかります。レドリー様に一度、面会が可能かどうかお聞きしてみますね。ひとまず、お部屋にもどりましょう」
メリッサに優しく促され、フィラーナは何度か頷くと、身体を支えられながらゆっくりと自室に向かって歩き出した。