冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
この大会では真剣は使わず、剣を型どった木製の武器が用いられる。
バートの弟、ロニーは第三試合に登場し、小柄な体格ながらも太刀筋は正確で、相手を倒していく。その後もロニーの快進撃は続き、いよいよ決勝戦まで勝ち上がった。
会場の熱気にあてられて、故郷で騎士団の面々と剣を交えて鍛練した日々を思い出したフィラーナは、当初の目的をしばし忘れて試合の様子にのめり込んでいく。
やがて、決勝戦を迎えた。
相手はロニーより大柄な男で、力の差から剣が撃ち合う度にハラハラした展開が何度も訪れた。しかし、それらを巧みにかわし、かなり疲れは見えたものの、ロニーは何とか優勝を手にしたのだった。
会場がロニーを称える歓声で溢れる。
「あなたの弟、すごいわ、バート!」
フィラーナも興奮気味にバートの腕を揺さぶった。
「ああ、ついに、ロニーの夢が叶う!」
バートも喜びを噛み締めるように無意識にフィラーナの手を握りしめたが、すぐに慌ててパッと手を離した。そして、誤魔化すように立ち上がり、ロニーに大手を振る。
「ロニー、お前は最高の弟だよ!」
彼の声に、周囲の観客も立ち上がり、ロニーに拍手を送った。
バートの弟、ロニーは第三試合に登場し、小柄な体格ながらも太刀筋は正確で、相手を倒していく。その後もロニーの快進撃は続き、いよいよ決勝戦まで勝ち上がった。
会場の熱気にあてられて、故郷で騎士団の面々と剣を交えて鍛練した日々を思い出したフィラーナは、当初の目的をしばし忘れて試合の様子にのめり込んでいく。
やがて、決勝戦を迎えた。
相手はロニーより大柄な男で、力の差から剣が撃ち合う度にハラハラした展開が何度も訪れた。しかし、それらを巧みにかわし、かなり疲れは見えたものの、ロニーは何とか優勝を手にしたのだった。
会場がロニーを称える歓声で溢れる。
「あなたの弟、すごいわ、バート!」
フィラーナも興奮気味にバートの腕を揺さぶった。
「ああ、ついに、ロニーの夢が叶う!」
バートも喜びを噛み締めるように無意識にフィラーナの手を握りしめたが、すぐに慌ててパッと手を離した。そして、誤魔化すように立ち上がり、ロニーに大手を振る。
「ロニー、お前は最高の弟だよ!」
彼の声に、周囲の観客も立ち上がり、ロニーに拍手を送った。