冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
ルイーズはどうやらここでフィラーナが“飼い殺し状態”になっているのでは、と心配しているようだ。
「ち、違うから。そんなことはないから安心して。殿下とは時たまお話することもあるのよ」
フィラーナは慌てて首を横に振り、笑顔を見せる。
だってルイーズは知らないのだ。時たまどころか毎晩こっそりとフィラーナの部屋を訪ねてくるウォルフレッドが、存分にこの可愛い恋人を甘やかしている事実を。
ふたりきりになると、ウォルフレッドはフィラーナの肩を抱き、ぴったりと寄り添うように隣りに座り、話をしている間も彼女の蜂蜜色の髪を優しい手つきでずっと撫でている。そして決まって帰り際には、熱い抱擁と口づけからなかなか解放してくれないのだ。しかし、ついこちらも溺れてしまいそうになり抵抗できなくなるから、文句は言えないんだけど……と、鮮明に昨日の記憶が甦ったところでフィラーナの顔から湯気が出そうになる。
「フィラーナ、顔が赤いわよ、具合でも悪いの?」
「だ、大丈夫。何でもないから」
純粋に心配してくれる友人に、本当のことを言えないもどかしさで胸を痛めるフィラーナだったが。
その数日後、今度はフィラーナの方がルイーズを心配する事態になっていた。
いつものように部屋でふたり、刺繍をしながらおしゃべりをしていたのだが、いつも手先が器用で瞬く間に繊細で素晴らしい刺繍を仕上げるルイーズの針が一向に進まない。そういえば、先ほどから話は上の空だし、どことなくその瞳も虚ろだ。
「ち、違うから。そんなことはないから安心して。殿下とは時たまお話することもあるのよ」
フィラーナは慌てて首を横に振り、笑顔を見せる。
だってルイーズは知らないのだ。時たまどころか毎晩こっそりとフィラーナの部屋を訪ねてくるウォルフレッドが、存分にこの可愛い恋人を甘やかしている事実を。
ふたりきりになると、ウォルフレッドはフィラーナの肩を抱き、ぴったりと寄り添うように隣りに座り、話をしている間も彼女の蜂蜜色の髪を優しい手つきでずっと撫でている。そして決まって帰り際には、熱い抱擁と口づけからなかなか解放してくれないのだ。しかし、ついこちらも溺れてしまいそうになり抵抗できなくなるから、文句は言えないんだけど……と、鮮明に昨日の記憶が甦ったところでフィラーナの顔から湯気が出そうになる。
「フィラーナ、顔が赤いわよ、具合でも悪いの?」
「だ、大丈夫。何でもないから」
純粋に心配してくれる友人に、本当のことを言えないもどかしさで胸を痛めるフィラーナだったが。
その数日後、今度はフィラーナの方がルイーズを心配する事態になっていた。
いつものように部屋でふたり、刺繍をしながらおしゃべりをしていたのだが、いつも手先が器用で瞬く間に繊細で素晴らしい刺繍を仕上げるルイーズの針が一向に進まない。そういえば、先ほどから話は上の空だし、どことなくその瞳も虚ろだ。