冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
「え、ちょっと待って……いきなり何を言い出すの?」
フィラーナはあまりにも突拍子もない飛躍し過ぎた話の内容に、すぐに追いつけず開いた口が塞がらない。
だが、ルイーズの顔には切羽詰まったような焦りのような気迫を感じる。
「早くお城から逃げて。王太子殿下には関わらないで。私、フィラーナだけは助けたいの」
「ルイーズ、お願い、落ち着いて。もう一度、わかるように説明してくれない?」
フィラーナがルイーズの肩を掴んだ、その時。
背後に誰かの気配を感じて振り返ると、そこには黒いフードを被り口元を布で覆った男が立っていた。ぎょろりと目だけが動き、自分を見おろす冷たい視線にフィラーナの背筋が凍る。
本能的に危険を察知して離れようと足を動かしたが、すぐさま口元に厚い布があてがわれ、何かを吸い込んでしまった。たちまち意識が朦朧となり、フィラーナは力なくその場に崩れ落ちる。
「裏切りはよくないな、男爵家のお嬢さん」
「ち、違うわ。彼女は無関係よ」
男とルイーズの会話を聞き取るため意識を繋ぎ止めようと、フィラーナは必死に唇を噛み続けたが、それも限界に達したようだ。
遠のいていく意識の中、「フィラーナ、ごめんなさい……」と呟くルイーズの声が耳に届いたような気がした。
フィラーナはあまりにも突拍子もない飛躍し過ぎた話の内容に、すぐに追いつけず開いた口が塞がらない。
だが、ルイーズの顔には切羽詰まったような焦りのような気迫を感じる。
「早くお城から逃げて。王太子殿下には関わらないで。私、フィラーナだけは助けたいの」
「ルイーズ、お願い、落ち着いて。もう一度、わかるように説明してくれない?」
フィラーナがルイーズの肩を掴んだ、その時。
背後に誰かの気配を感じて振り返ると、そこには黒いフードを被り口元を布で覆った男が立っていた。ぎょろりと目だけが動き、自分を見おろす冷たい視線にフィラーナの背筋が凍る。
本能的に危険を察知して離れようと足を動かしたが、すぐさま口元に厚い布があてがわれ、何かを吸い込んでしまった。たちまち意識が朦朧となり、フィラーナは力なくその場に崩れ落ちる。
「裏切りはよくないな、男爵家のお嬢さん」
「ち、違うわ。彼女は無関係よ」
男とルイーズの会話を聞き取るため意識を繋ぎ止めようと、フィラーナは必死に唇を噛み続けたが、それも限界に達したようだ。
遠のいていく意識の中、「フィラーナ、ごめんなさい……」と呟くルイーズの声が耳に届いたような気がした。