冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
*
フード付きの黒い外套を頭から被った男がふたり、丸められた絨毯のような長い筒状の布を肩に担ぎ、暗い階段を下っていく。やがてたどり着いた資材置き場のような一室で、彼らはその筒状の布を床に置くと、その端の部分を持って思い切り引っ張った。
くるくると布が三回転し、中から若草色のドレスを纏った蜂蜜色の髪の娘が転げ出る。しかし、娘は意識を失っているのか、手足を投げ出したまま微動だにしない。
男たちは部屋の扉に施錠し立ち去ったが、鍵を持っている方の男がふと途中で足を止めた。
「あの娘を見張っとく」
その男の目に少し欲情の色が浮かんでいることに気づいた片方の男は、呆れたようにため息をつく。
「悪い癖だな。言われてるだろ、手ェ出すんじゃねえぞ」
「わかってら。ちょっと味見するだけならバレねえだろ」
鍵を持った男は卑しい笑みを浮かべながら、ひとり来た道を戻り始める。
「ちょっと見ただけだったが、イイ女だったな」
独り言ちながら、娘を閉じ込めた部屋の扉を開けた時。
突然、男の脇腹に、突きのような鋭い痛みと衝撃が走った。「ぐへっ」と情けない声を発し、よろめいて床に膝をついた瞬間、さらに後頭部に激しい一撃が叩き込まれる。「うっ……」という呻き声とともに男は正面から床に倒れ込み、気を失ったように動かなくなった。
それを見おろして、フィラーナは肩で大きく息をしながら、少しだけ安堵の表情を浮かべた。額には汗が浮かび、緊張で心臓の音が全身に響き渡っている。その手には薪よりも長い棒状の木材が握られていた。
フード付きの黒い外套を頭から被った男がふたり、丸められた絨毯のような長い筒状の布を肩に担ぎ、暗い階段を下っていく。やがてたどり着いた資材置き場のような一室で、彼らはその筒状の布を床に置くと、その端の部分を持って思い切り引っ張った。
くるくると布が三回転し、中から若草色のドレスを纏った蜂蜜色の髪の娘が転げ出る。しかし、娘は意識を失っているのか、手足を投げ出したまま微動だにしない。
男たちは部屋の扉に施錠し立ち去ったが、鍵を持っている方の男がふと途中で足を止めた。
「あの娘を見張っとく」
その男の目に少し欲情の色が浮かんでいることに気づいた片方の男は、呆れたようにため息をつく。
「悪い癖だな。言われてるだろ、手ェ出すんじゃねえぞ」
「わかってら。ちょっと味見するだけならバレねえだろ」
鍵を持った男は卑しい笑みを浮かべながら、ひとり来た道を戻り始める。
「ちょっと見ただけだったが、イイ女だったな」
独り言ちながら、娘を閉じ込めた部屋の扉を開けた時。
突然、男の脇腹に、突きのような鋭い痛みと衝撃が走った。「ぐへっ」と情けない声を発し、よろめいて床に膝をついた瞬間、さらに後頭部に激しい一撃が叩き込まれる。「うっ……」という呻き声とともに男は正面から床に倒れ込み、気を失ったように動かなくなった。
それを見おろして、フィラーナは肩で大きく息をしながら、少しだけ安堵の表情を浮かべた。額には汗が浮かび、緊張で心臓の音が全身に響き渡っている。その手には薪よりも長い棒状の木材が握られていた。