冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
フィラーナはすぐさま辺りを見回して、見つけたロープで男の身体を縛り上げると、ドレスの裾を引き裂いて、それを猿ぐつわのように男の口に巻き付けた。いずれ意識を取り戻すであろうが、その時叫び声を上げて助けを呼ばれてはかなわない。
(こっちにも武器が必要だわ)
男が腰に佩いている剣を鞘から引き抜くことも忘れない。
実はフィラーナはここへ運び込まれる途中で目が覚め、完全に意識を回復させていた。ルイーズと会った部屋で怪しげな男に口元に布を押し付けられた時、危険を察知して瞬時に息を止め、必要以上に薬を吸い込むことを阻止したのである。
その為、気を失っている時間が少なく済んだのだが、何やら布のような物で全身を簀巻きにされているので、身動きが取れない。だからといってもがいたり声を上げたりすれば、自分を拉致している連中に気づかれ、再び薬を嗅がされる可能性がある。だから、気を失ったふりを続け、反撃の機会を窺っていたのだ。
監禁場所が、たまたま資材置き場だったのも不幸中の幸いだった。一旦男たちが立ち去ったあと、素早く起き上がり、何か武器になりそうな物を急いで探す。手頃な棒を見つけたところで近づいてくる足音が耳に届き、剣術の突きの構えで息を殺して扉の横に佇んでいたのだ。
(これも剣と身体の軸がぶれないよう、厳しく指導してくれたおかげだわ……クリストファー、本当にありがとう!)
エヴェレット侯爵家の騎士団に所属している従兄に、フィラーナは心の中で最大の感謝の意を示し、奪った剣を手に取ると男が持っていた鍵で外側から扉を施錠して、慎重に廊下を進んだ。
(こっちにも武器が必要だわ)
男が腰に佩いている剣を鞘から引き抜くことも忘れない。
実はフィラーナはここへ運び込まれる途中で目が覚め、完全に意識を回復させていた。ルイーズと会った部屋で怪しげな男に口元に布を押し付けられた時、危険を察知して瞬時に息を止め、必要以上に薬を吸い込むことを阻止したのである。
その為、気を失っている時間が少なく済んだのだが、何やら布のような物で全身を簀巻きにされているので、身動きが取れない。だからといってもがいたり声を上げたりすれば、自分を拉致している連中に気づかれ、再び薬を嗅がされる可能性がある。だから、気を失ったふりを続け、反撃の機会を窺っていたのだ。
監禁場所が、たまたま資材置き場だったのも不幸中の幸いだった。一旦男たちが立ち去ったあと、素早く起き上がり、何か武器になりそうな物を急いで探す。手頃な棒を見つけたところで近づいてくる足音が耳に届き、剣術の突きの構えで息を殺して扉の横に佇んでいたのだ。
(これも剣と身体の軸がぶれないよう、厳しく指導してくれたおかげだわ……クリストファー、本当にありがとう!)
エヴェレット侯爵家の騎士団に所属している従兄に、フィラーナは心の中で最大の感謝の意を示し、奪った剣を手に取ると男が持っていた鍵で外側から扉を施錠して、慎重に廊下を進んだ。