冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
男が間合いに入った瞬間、フィラーナは下向きに剣を構え直すと思い切りそれを振り上げた。
ギンッ、と金属音が響き、男の手から剣が弾き飛ばされる。突然繰り出された剣技に唖然としている男に向かって、フィラーナは再び剣を振り下ろした。それには男も反射的に身体をのけぞらせたが、フィラーナが体勢を低くし、間髪入れずに男の足元を薙ぎ払ったため、バランスを失った男の身体は無様にも後ろに倒れ込む形となった。
その横をすり抜けるように、フィラーナは一目散に駆け出す。
しかし、背後からの「女が逃げたぞ!」という叫び声で押し寄せてきた男たちに、通路の前後を塞がれた。皆一様に黒フードを被っていて、その不気味さに圧倒されてしまう。
フィラーナは向かってくる攻撃をかわし、剣で受け続けたが、本気を出した男の力に女が敵うはずもない。何撃目かで剣を弾き飛ばされたかと思うと、男たちによって身体を床に押さえつけられた。
「離して!」
だが抵抗も虚しく、すぐさま後ろ手に縛られてしまった。乱暴に腕を掴まれたまま、どこかに引きずられていく。
古びた木製の扉が開いた先は広間のような部屋だった。その中央まで連れて来られると、無理やり上から頭と肩を押さえられ、強制的に跪く体勢を取らされる。咄嗟に周囲を見渡すと、すでに二十人ほどに囲まれていた。どうあがいても、逃げることは不可能だ。
その時、バタンッと扉が開き、誰かが駆けてくる足音が聞こえてきた。フィラーナが顔を上げると同時に、長い黒髪が視界に入る。
ギンッ、と金属音が響き、男の手から剣が弾き飛ばされる。突然繰り出された剣技に唖然としている男に向かって、フィラーナは再び剣を振り下ろした。それには男も反射的に身体をのけぞらせたが、フィラーナが体勢を低くし、間髪入れずに男の足元を薙ぎ払ったため、バランスを失った男の身体は無様にも後ろに倒れ込む形となった。
その横をすり抜けるように、フィラーナは一目散に駆け出す。
しかし、背後からの「女が逃げたぞ!」という叫び声で押し寄せてきた男たちに、通路の前後を塞がれた。皆一様に黒フードを被っていて、その不気味さに圧倒されてしまう。
フィラーナは向かってくる攻撃をかわし、剣で受け続けたが、本気を出した男の力に女が敵うはずもない。何撃目かで剣を弾き飛ばされたかと思うと、男たちによって身体を床に押さえつけられた。
「離して!」
だが抵抗も虚しく、すぐさま後ろ手に縛られてしまった。乱暴に腕を掴まれたまま、どこかに引きずられていく。
古びた木製の扉が開いた先は広間のような部屋だった。その中央まで連れて来られると、無理やり上から頭と肩を押さえられ、強制的に跪く体勢を取らされる。咄嗟に周囲を見渡すと、すでに二十人ほどに囲まれていた。どうあがいても、逃げることは不可能だ。
その時、バタンッと扉が開き、誰かが駆けてくる足音が聞こえてきた。フィラーナが顔を上げると同時に、長い黒髪が視界に入る。