冷徹皇太子の溺愛からは逃げられない
フィラーナは、ウォルフレッドの歩みが止まったことに気づき、ふと顔を上げた。彼の水色の瞳が、じっと自分を見つめている。その視線に込められた意思を読み取った瞬間、フィラーナの全身は凍りついた。
(しまった……! あんなに気をつけてたのに……私のバカ!!)
一瞬の気の緩みから、自ら白状してしまうなんて。
混乱したフィラーナは無意識のうちに後ずさろうとしたが、その前にウォルフレッドが素早く彼女の腕を掴んだ。そして、そのまま有無を言わさず力強く引き寄せる。
「お前、やはりあの時の“ライラ”だな?」
顔を近づけ、フィラーナの瞳の奥を覗き込んでくる。その視線を逸らすことなど、フィラーナに叶うはずもなかった。
「……申し訳ございません……!!」
フィラーナは腕を引っ込めてウォルフレッドの手から逃れると、パッとその場にひれ伏した。
「港町での不敬の数々、どうかお許しください!」
「どうしたんだ、急に……」
戸惑ったようなウォルフレッドの声が聞こえたが、額を地面に擦りつけんばかりに平伏したフィラーナには彼の表情が見えるはずもない。
「それに、わかっていながらも殿下のご質問に素直に答えることができませんでした。すべては私の心弱さゆえにございます」
「一旦、落ち着け。顔を上げろ」
「お咎めなら、私がひとりでお受けいたします。ですから、どうか父や兄、領民には寛大な御心を……!」
「おい、俺の話を聞け。言っていることがわからない」
半ば呆れ口調で促され、フィラーナは恐る恐る顔を上げた。ウォルフレッドも地面に片膝をついているため、視線の高さが近い。だが、その顔にはこれまで見たことのないような困惑の色が広がっていた。
(しまった……! あんなに気をつけてたのに……私のバカ!!)
一瞬の気の緩みから、自ら白状してしまうなんて。
混乱したフィラーナは無意識のうちに後ずさろうとしたが、その前にウォルフレッドが素早く彼女の腕を掴んだ。そして、そのまま有無を言わさず力強く引き寄せる。
「お前、やはりあの時の“ライラ”だな?」
顔を近づけ、フィラーナの瞳の奥を覗き込んでくる。その視線を逸らすことなど、フィラーナに叶うはずもなかった。
「……申し訳ございません……!!」
フィラーナは腕を引っ込めてウォルフレッドの手から逃れると、パッとその場にひれ伏した。
「港町での不敬の数々、どうかお許しください!」
「どうしたんだ、急に……」
戸惑ったようなウォルフレッドの声が聞こえたが、額を地面に擦りつけんばかりに平伏したフィラーナには彼の表情が見えるはずもない。
「それに、わかっていながらも殿下のご質問に素直に答えることができませんでした。すべては私の心弱さゆえにございます」
「一旦、落ち着け。顔を上げろ」
「お咎めなら、私がひとりでお受けいたします。ですから、どうか父や兄、領民には寛大な御心を……!」
「おい、俺の話を聞け。言っていることがわからない」
半ば呆れ口調で促され、フィラーナは恐る恐る顔を上げた。ウォルフレッドも地面に片膝をついているため、視線の高さが近い。だが、その顔にはこれまで見たことのないような困惑の色が広がっていた。