【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
その日、結局部長は帰って来ることなく、連絡もないまま夜を迎えた。

私は一人部屋に帰ってきて、チラリと時計に目を向ける。

22時か……。
そこへ着信を知らす音がなり、私は急いで携帯を手にした。

「もしもし!」

『沙耶、遅くにごめんな』
優悟君の少しトーンの低い声に、私もキュッと唇を噛む。

「大丈夫」

声の感じから、決していい話ではなかったのは、すぐに分かって私はどうしたの?と聞きたいのを必死に我慢して、優悟君の言葉を待った。


『あー、今から……いや、もう遅いか……』

「大丈夫だから!」
勢いよく答えた私に、電話の向こうで少し笑うのがわかった。
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