【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「ただ、元気だと思っていた親父もずっと元気なわけではない。親父からも兄貴からも、このあたりできちんとしてほしいって言われた。俺にはその責任があると思っている」

それはそうだろう。

世界中の子会社まで合わせればどれだけの社員がいるのか、働いている私ですらわからなかった。

その会社で社長が変わり、代が変わるという事は、私ですら容易に想像ができるほど大変なことだろう。

そして、その責任を放棄して、俺には関係ないなどと言ううような人ではない事は私が一番わかっていたし、そんな人を好きになったわけでもない。


「そうなんだ」
私はそれらを考えて、ゆっくりと肯定した。

「沙耶?」
私のその言葉の意味が解らなかったようで、優悟君は私を見つめた。
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