【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「そうね。優悟君は無責任に会社なんて知らないなんて言う人じゃないよね。でもそんな急にえらくなる優悟君と、私はまだ一緒にいていいの?」

静かにきいた私に、優悟君は声を荒げた。

「あたりまえだろ!俺は……。こんな普通じゃない生活しかできない俺を沙耶が嫌って言うんじゃないかって……」
その言葉で、初めて普通の生活をしたがっていた私が、優悟君と一緒にいることが嫌になるのではないかと思っていることに気づいた。

「そっか……よかった」
ホッと息を吐いた私を、驚いて優悟君は私をみた。

「沙耶?」

「私は付き合いだしてからずっといつ、優悟君から沙耶みたいな普通の女とは付き合えないって言われるか不安でしかたなかった。日名子さんみたいに家柄のあう人と結婚するんだって」

「え?沙耶……もしかして……」
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