【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「ごめん。優悟君が言わないから言えなくて。私ずっと知ってた。優悟君が佐伯社長の息子さんだってこと」
静かに言った私を、優悟君は無言で見つめた。
「日名子さんに言われたの。最後は日名子さんを選ぶって。私みたいな人と付き合うのは優悟君のマイナスになるって」
そこまで言って、私はだんだん本当にそんな気がしてきた。
私では優悟君に何もしてあげられない、日名子さんみたいに優悟君の、佐伯グループのプラスになるようなものは持ち合わせていない。
そんな私の不安を感じ取ったのだろう、優悟君は私の肩を持つと瞳をじっとみた。
「沙耶」
「はい」
「バカなことを考えるのはやめろ。俺はもう絶対沙耶を離すつもりない」
その言葉に、自分の考えていたことが見透かされたようで私は視線を外す。