【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「どういう意味?」

「だから、あの時の人なんだけど、いろいろ誤解があって……」

「どういうことだ!」
今まで、ただ私とお母さんのやり取りを聞いていたお父さんが初めて声を荒げた

「お前をあれだけ傷つけた相手と同じだと?お前はまた同じことを繰り返すのか!」
確かにあの頃の事実だけを聞いただけなら、また私を捨てて女のところに行くような人だと思われているのだろう。

それと同時にあの頃母にしか言っていなかったことが、父にも筒抜けだったことに驚いた。

私は言わなきゃよかった……そう思いつつ小さくため息をついた。

自分の家には反対なんてされるわけがないと思っていたのに、大きな誤算だった。
いきなり優悟君を連れてこなくて本当に良かったと、内心胸をなで下ろした。
< 227 / 287 >

この作品をシェア

pagetop