【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「沙耶、先輩って」
そう言った俺の耳元で信じれない声が聞こえた。

『羽田さん?』
『あそこの席です』
噓だろ?本当に水田?
まぎれもなく聞こえたのは、忘れもしない部下だった水田の声。

『あっ、違うからね!』
慌てたように聞こえた沙耶の電話を俺は切っていた。

しまった……。
切ることはなかった電話に、俺はもう一度かけなおそうと思ったが手を止めた。

こんなに俺が会いたくて一生懸命に帰ってきたのに、なんで沙耶は自分に好意のある男と一緒にいるんだ?

苛立ちがつのり、風呂に入ろうとしたところで電話が音を立てた。

なんの言い訳だよ。
そう思い、しばらくなり続ける電話を眺めていると、留守番電話に切り替わるのが分かった。

そのあと、すぐにメッセージがディスプレイに映し出される。

【違うの!誤解なの!話をきいて】
そのメッセージに少しだけ心が落ち着くような気がした。

そっとスマホを手に取ると、すぐにもう一度電話がなった。



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