【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「なんだよ」
驚くほど低い声が出て、自分でも驚いた。

『優悟君、違うの』

「何が違うんだよ。今どこだ?言えるのか?」
俺が日本に戻ってきているとは知らないだろう、いますぐにその場に行って誤解というなら、この目で確かめたかった。

『会社の隣の駅の、BAR「CASE」ってわかる?』

沙耶の言葉に、俺は会社から少し離れた落ち着いたBARを思い出した。

「ああ」

『そこにいるの』

居酒屋とかファミレスならともかくどうしてそんなBARにいるんだよ。
またもや苛立ちがつのり、俺はスーツの上にコートを着ると家を飛び出していた。

その答えだけを聞くと、俺は「わかった」と電話を切るとタクシーに乗っていた。
自分でもその現場に行ってどうしたいかなど分からなかったが、沙耶が水田といるというだけで、落ち着いてなどいられなかった。
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