【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「懐かしいよな。よくこうして二人で食べたな」
同じことを思い出したようで、懐かしむような表情で彼も肉まんを口に運ぶ。
「うん、うまい」
「美味しい」
同時に言葉が出て、私たちは一瞬お互いの顔を見合わせた後、二人で笑い合った。
そのまま雑貨屋を見たり、久しぶりにゆっくりとした時間を過ごした。
「沙耶、そろそろホテルへ戻ろうか」
夕方までいろいろ見て回り、私もそれに同意する。
またぶらぶらと歩きながら、ホテルに戻ってきた。
「優悟!」
海の見えるラウンジに座っていた一人の男性が、優悟君を見ると立ち上がった。
「アラン!」
少し驚いたような表情をしたあと、優悟君はその人を呼ぶ。
「久しぶりだな」
ハーフだろうか。名前からして外国の血が流れているのだろう。その人は、様になる手つきでサングラスを取りながらこちらへと歩いてくる。