【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「ありがとう。怒ってくれて」
私も気を取り直し、お味噌汁だけでもお腹に入れないと午後からきついだろうと、お椀を手にした。
「だって沙耶、綺麗だし、笑顔だってそんなにかわいいのに、その笑顔を奪ったそいつを私は許せない」
静かにお味噌汁をすすりながら言った友里の言葉に、私は少し笑みをこぼす。
「きっと、私にも悪いところがあったんだよ。でも、もうあんな苦しい思いをするくらいなら、私は誰とも付き合いたくないし、結婚も男もいらないだけ」
そうやって自分に言い聞かせるように、頭の中でもう一度同じ言葉を繰り返す。
誰も好きにならない。
誰とも付き合わない。
誰とも結婚しない。
あんなに苦しい思いはもう嫌。
大好きだった。これ以上好きになれる人なんていないと思った。
今は封印したはずの、憎しみにも似た黒く渦巻く感情が、ときおりこうやって顔を出す。
それくらい、私にとっては何もかもを捧げた恋だった。
私も気を取り直し、お味噌汁だけでもお腹に入れないと午後からきついだろうと、お椀を手にした。
「だって沙耶、綺麗だし、笑顔だってそんなにかわいいのに、その笑顔を奪ったそいつを私は許せない」
静かにお味噌汁をすすりながら言った友里の言葉に、私は少し笑みをこぼす。
「きっと、私にも悪いところがあったんだよ。でも、もうあんな苦しい思いをするくらいなら、私は誰とも付き合いたくないし、結婚も男もいらないだけ」
そうやって自分に言い聞かせるように、頭の中でもう一度同じ言葉を繰り返す。
誰も好きにならない。
誰とも付き合わない。
誰とも結婚しない。
あんなに苦しい思いはもう嫌。
大好きだった。これ以上好きになれる人なんていないと思った。
今は封印したはずの、憎しみにも似た黒く渦巻く感情が、ときおりこうやって顔を出す。
それくらい、私にとっては何もかもを捧げた恋だった。